■著者
イジー・クラトフヴィル
阿部賢一

■内容紹介
ナチス・ドイツの保護領時代、親衛隊の高官のために鉤十字型の邸宅を設計した暗い過去を持つ建築家カミル・モドラーチェク。共産党による独裁体制が強化されつつあった一九五〇年代初頭のブルノで、かつての栄光とは無縁の仕事をこなしていたが、秘密警官のラースカに執拗につきまとわれていた。唯一の理解者であった妹エリシュカも反体制活動の嫌疑をかけられ、秘密警察の尋問を受けているあいだに命を落としてしまう。最愛の妹を失ったカミルは、棺の前で復讐を決意する。それは、狂気に満ちた計画のはじまりだった。ナチス・ドイツ、共産主義、現在―そう、暗い傷のことから話をしよう。