万葉歌人・山上憶良の和歌二首(貧窮問答歌/子等を思ふ歌)をテキストとする女声合唱作品。全体は続けて演奏される三部(1~3)で構成され、1・2は無伴奏、3のみピアノを伴う。
律令体制下に生きる公民の貧窮困苦を詠った「貧窮問答歌」、我が子への愛、親子の因縁の不思議さを詠った「子等を思ふ歌」の二首は、いずれも憶良の代表作。「貧窮問答歌」は、貧者の問い(1)と窮者の答え(2)がそれぞれ1曲を成す。作曲者は「和歌の持つ抒情を素直に表出できるスタイル」を求めて、独自のヘテロフォニックな作法を軸に多様な表現を取り