立原道造の4篇の詩からなる混声合唱組曲。詩句は美しい自然をそのまま写し取ったかのような瑞々しい調べの奥に、恋をめぐる心の揺らぎや葛藤が描かれている。4つの詩にはいずれも「風」という言葉があるが、音楽は爽やかな流れが全体を包みながら、時に激しく、時に春の日差しのようなうららかさを湛え、軽やかにその表情を変えていく。オーソドックスな書法だが、美しく息の長い旋律や豊かなハーモニーは魅力的で、無伴奏の「3.枯木と風の歌」では一部声部が分かれる箇所もあるが、全曲とも無理のない音域で中級レベルから取り組める充実した作