「汐美学園を、もっともっと楽しくしませんか?」
何か悪いものでも食べたのか、彼女白崎つぐみは言った。 前振りがあったわけでもない。 それ以前に、彼女と知り合いだったわけでもない。 唐突に、白崎は言ったのだ。
「そういう話なら、生徒会に掛け合った方が いいと思うけど」
と、喉まで出かかった言葉を腹の底まで押し戻したのは、俺筧京太郎の悪癖だった。
情に棹させば流される、とは有名な小説の一節だが、しばらく後の俺の心境はまさにそれだ。 川の果てまで流れ流され、河口付近を漂っていた俺の周囲には、同じように流された奴らが集っていた。
桜庭玉藻、御園千莉、鈴木佳奈、高峰一景、
そして、なぜか通りがかる、小太刀凪。 最高の読書空間だった部室は、もはや昼休みの教室と変わらない有様だ。
今日もまた、寄り道だらけの活動が始まる──
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