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■■本尊とは■■ 仏壇のなかには仏像が安置されていることは知っていても、本尊が宗派によって違っていることまでは知らない方が多いです。本尊とは信仰の中心として祀られている仏像や 曼荼羅(まんだら)のことです。本尊は宗派によってそれぞれ異なりますので、菩提寺の宗派に合わせて選びます。本尊が宗派ごとに異なるのは、各宗派により教義や仏教の理想の求め方が違うからです。本尊の形式には、お姿のある仏像と、絵像の掛軸があり、寸法は、仏壇内部の大きさに合わせて選びます。仏像には、木彫仏像や鋳造仏像などがあります。本尊は菩提寺を通して本山からいただく場合もありますが、一般には仏壇店から購入し、お寺さんに魂入れ(たましいいれ)をしていただきます。本尊は、仏壇の中心である須弥壇(しゅみだん)の上に安置します。より丁寧にまつるには、その両脇に脇掛(わきがけ)という、宗派で定めている祖師像などの掛軸を安置します。ご本尊は、仏壇の中央上部に安置し、他の位牌と同じ高さにしないようにしましょう。掛軸は仏壇の裏板に鋲で留めるか、掛軸台にかけて安置します。
■■曹洞宗■■ ご本尊は上段中央に釈迦牟尼仏、三尊仏(釈迦牟尼仏を中心に右に道元禅師、左に瑩山禅師)の御影像を祀ります。お位牌はご本尊の左右(古い位牌を右)に祀ります。 中段中央に茶湯器、仏餉を、高杯の供物はその左右にお供えします。 三具足は下段におき、向かって左に花立て、右にローソクをおきます。
■歴史■ 禅宗とは広義に座禅を行うことによって、仏の悟りの境地を自己に表現しようとする教派のことで、通常、ここにあげた臨済宗と曹洞宗のほか、黄檗宗が加えられますが、正確に言うと”禅宗”という宗派は存在しません。禅では特に法脈の伝承が重んじられます。ブッダから師資相承して28代目の菩提達磨が中国に伝え、中国禅の初祖となり、この達磨以後6祖大師になる彗能と、その弟子の青原・南岳により禅の教えは広がりを見せます。わけても南岳より臨済宗が生まれることになります。 日本に禅宗が成立するのは鎌倉時代の栄西以後のことです。栄西は始め天台密教を学んでいましたが、文治3(1187)年、宋に渡った折に禅と出会い、日本に帰朝後、九州に建久2(1191)年に報恩寺、聖福寺を開きました。現在では14の本山を持ち、臨済宗十四派と言われますが、これらは法系の上では一筋に帰するものであります、対立的な意味はありません。 中国曹洞禅は、臨済宗でも触れた彗能の弟子の南岳の法系にあたるものです。日本曹洞宗の場合、これを開いた道元を高祖、そして、その仏法を受け継ぎ広めた瑩山を太祖と呼び、この2人を合わせて両祖大師と呼んでいます。 道元は13歳で出家した後、まず栄西に師事し、臨済宗の禅法を学びました。23歳の時に入宋し如来浄禅師に出会い、28歳で日本に戻るまで禅師の下で研鑽を重ねます。帰朝して後は興聖寺をはじめとする禅の道場としての寺院を建立し、また座禅の仏法における位置付けを説き明かした「正法眼蔵」をはじめとする膨大な著作をまとめるなど、布教伝道に務めました。 しかし、道元は54歳でその生涯を終えてしまったことから、亡き後の僧団は一時期混乱の用相を示します。こうした対立や分裂を収拾させ、教えの上でも道元の事跡を整理すると共に更なる大成を図り、弘教においても在家にむけたより幅広い働きかけを実現させたのが、瑩山禅師です、こうしたことから、道元が一宗の祖であり、瑩山は教団の祖として、両祖が等しく敬われています。
■教え■ 無常を感じ、我執を離れて心身放下し、ただひたすらに座禅をすること(只管打座)がまず求められます。それはただひたすらに座禅することであり、他の修行である焼香、礼拝、読経などをする必要性は全く無いということです。心身を調和させて直ちに仏を受け入れること(直下承当)を説き、また仏祖正伝の道を開くために精神を統一して種々の思慮を絶ち、心身を安定させること。自受三昧禅定、即ち自己がそれを感受しながら、限りなく自己と世界を超脱することによって、かえって万象があらわになるとしています。 これを即心是仏といい、只管打座の禅が目的とするものでもあります。即心是仏が決して煩悩に塗られた常識的な心のことでは無いことは無論のこと、肉体とは離れた永遠不滅の霊魂を指しているわけでもありません。自己と大宇宙の物心一如、心身一体のあるがままのあり方を心是仏と言うのです。 ◆高祖 承陽大師道元(1200~1253)永平寺開山 ◆太祖 常済大師螢山(1268~1325)総持寺開山 ◆本尊 ●寺院 釈迦如来 ●在家 釈迦如来 ◆脇侍 ●在家 釈迦如来を中心に道元と◯山を一枚の掛軸に刷り込んだ「三尊仏」を祀るか、向かって右に道元、 左に常済大師(瑩山禅師)の御影像を祀る。 ◆経典 〈根本経典〉「般若心経」「観音経」「修証義」〈在家経典〉「般若心経」「大悲心陀羅尼」「修証義」 ◆唱名 南無釈迦牟尼仏 ◆大本山 永平寺 福井県吉田郡永平寺町 総持寺 横浜市鶴見区鶴見2-1-1
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