■著者
国文学研究資料館

■内容紹介
われわれは、最も身近にある資料群といかにつきあっていくべきか―。人びとの営みを伝える資料群として、公文書と相互補完的な関係にある「民間アーカイブズ」。家や個人、もしくは多様な民間団体が作成・授受・蓄積してきたこれらの記録群は、これまで各地域における歴史的・文化的資源として認識され、保存・活用されてきた。しかし、過疎化や市町村合併等に伴う保存管理体制の崩壊や大規模災害の発生など、近年の急激な社会構造の変動により、これらの資料群は「滅失」の危機に瀕している。地域アーカイブズを取り巻く環境、存在形態そして調査・保存に対する現実的アプローチなどを、現場の最前線からの視点で捉え返し、新たな段階を迎えた民間アーカイブズ保存・活用の論理と実践のあり方を提示する。

■目次
第1編 民間アーカイブズを取り巻く環境(民間所在の記録史料と戦後の「国立史料館」構想;「地方消滅」論と民間アーカイブズ;民間アーカイブズの保存活用を巡る法的課題―調査・収集を中心に;公共記録としての民間文書―地域共同体再生論);第2編 民間アーカイブズの存在形態(北海道所在の民間アーカイブズの特質―分割管理された「移住持込文書」の伝来と意義;地域災害史の検証と必要となる史料の姿;防衛研究所所蔵陸海軍「一般史料」について);第3編 民間アーカイブズの調査・保存と公的サポート(地方文書館の役割と民間アーカイブズ―地方創生に向けた新たな取り組みを目指して;地域史料所在調査と自治体文書館の役割―広島県の事例をもとに;地域資料調査の課題と市民協働活動―資料整理ボランティアを考える);第4編 民間アーカイブズの保存の担い手づくりと地域連携(兵庫県丹波市内での民間所在史料の保存と活用について;民間アーカイブズの保全と地域連携―東京都多摩地域での取り組みを事例に;静岡県南伊豆町地域の民間所在資料の保全―「物語」を構成すること)