「空の小屋」ツアーのライヴ盤。バック・メンバーは朝本浩文を筆頭に、ASA-CHANG、ROVOの勝井祐二、バッファロー・ドーターの大野由美子、リトル・クリーチャーズの鈴木正人ら、それぞれが強い個性をもつ7人のミュージシャン。ヴァイオリンやチェロを含む特異な編成で、ブラジル音楽、ジャズ、ワルツ、アヴァンギャルドなどの要素を込めた、いわばポスト・ロック的なアプローチを示している。この顔ぶれだけあって、音数の少ない静謐(せいひつ)なプレイから、各楽器のインプロ、バンドが一丸となって疾走するところまで、変化に富み柔軟性に長けた演奏だ。それに相対するUAは、フェイクを随所に盛り込んだヴォーカル・スタイルで、激しくうねる音の波の中を自由に泳いでいく。
???先立ってリリースされた『泥棒』を再構築したことにとどまらず、旧曲もリアレンジされ、全体で新たな世界観を生み出している。その意味で記録としてのライヴ盤というよりも、ひとつの秀逸なセッション・アルバムとよんだ方が近い。傑作。(小山 守)