■著者
玄侑宗久
■内容紹介
怒涛というしかない奔流が船や家や木や人々を呑み込んで流れ去った。避難所で毛布にくるまる娘は発電所勤務の彼を思う…(あなたの影をひきずりながら)。三歳の小太郎はDNA鑑定のために母親と警察署に来ていた。津波で亡くなった身元不明の遺体の中に父がいないかを確かめるために(小太郎の義憤)。経営していた結婚式場が壊され、除染作業をしながら仮設住宅に住む山口に、久しぶりに結婚式の依頼があったが…(拝み虫)。震災から30年後の福島。汚染された土や葉を積み上げた仮置場を守る爺さんがいた。そこはやがて、瑠璃色の光を放つ山になった…(光の山)。震災後二年、福島在住の僧侶作家が全身全霊をこめて放つ全六篇。