A5判シリーズで、もっとも好評を博しているR.シュトラウスの、管弦楽伴奏による声楽作品を取り上げる。第二次世界大戦を辛くも生き延びた大作曲家が、経済状況の悪化や自身の健康問題、戦争裁判などをめぐって、とかく意気消沈する日々のなか、当時の心境に合致するテキストを慎重に選び、求めに応じて別々に作曲した作品を、死後、出版社がまとめて刊行したもの。フルオーケストラによる精妙なテクスチュアのなかに浮かび上がる、シュトラウスならではの、たゆたうような美しいソプラノが、現世への永訣の境地を穏やかに告げて、聴く者に忘れが