■著者
鹿島徹
■内容紹介
たとえば学校や書物を通して獲得した知識は、そのままでは、各人が人生でぶちあたっている切実な問いとは関係がない疎遠なものにとどまるが、それらを「経験」という回路を通過させると、生きるための知恵となる。ベンヤミンは、ナチスが政権をとったヨーロッパで「経験の貧困」を指摘したのだが、「経験」として伝えられていたことが、通信技術の発展によって「情報」として流通し、あっというまに消費されてしまっている現代社会では、事態はもっと深刻ではないか。本書の著者、鹿島徹はこのように言う。どうしたら「経験」を復活させることができるのか。本書は示唆する。鍵は、歴史にある、と。哲学と対話する歴史に、である。