ピアノ構造の画期的な発展にピアノ教育が追いつかず、そのために手を傷める生徒が激増した。今日のピアノ教育が生徒を手の障害から救おうとした人々によって築かれた歴史を知り、手の障害から出発したピアノ奏法の歴史を、人間の手の仕組みと楽器としてのピアノの発展を解説しながら述べたもの。人間の手については医学的知識が、楽器については機械としての構造の理解が必要で、理解を深める豊富な写真や図版、医師・音大教員・工学研究者の三者の観点から書き起こした、ピアノとピアノ奏法に詳しい医者の筆者ならではの平易な解説が特長である。<