
じんだ煮は、ぬか床文化の町、小倉が生んだ庶民の味。
作家、松本清張さんが、生前、懐かしい小倉の味の筆頭にあげたのが、じんだ煮(ぬかみそ炊き)です。
私どもが子供の頃には、先の大戦の空襲の時、命からがら、家のぬか床だけは守り通したというご婦人
のお話をよく耳にしたものですが、北九州の人にとって、ぬか床はまさしく特別な存在。
お野菜は、ぬか漬けにしていただき、青物のお魚は、山椒と一緒にぬか炊きにしていただく。
一年を通して、小倉の町家のどの食卓にも上がる、なくてはならないお料理なのです。


「じんだ(糂汰)」とは、随筆『徒然草』にも現れる
ぬかみその別名。
では、なぜ、小倉にぬか炊きが生まれたのか。
その理由は諸説ありますが、信州信濃を封地とする小笠原氏が、この地へ赴任して広げたというのが定説。
初代小笠原忠真は、小倉城入封の際に、ぬか床を持ち込み、城下の人々に、ぬか漬けを奨励したほどの人。
その影響で、現代に至るまで、小倉の各家には代々受け継がれた「百年床」というぬか床があるわけですが、
小倉はまた、魚町などの地名に見られるよう、魚が豊富に水揚げされる地としても賑わっていたのです。
近海のイワシなど、捕れすぎた魚の廃棄を惜しんだ小笠原氏は、若狭地方の郷土料理「へしこ」のように、ぬかみそに魚を漬け込むことを試しますが、九州では夏場の腐敗は防ぎきれず、ぬかみそごと煮込むことになったのではないかと言われています。
以来、400年、小倉ならではの郷土料理として今に受け継がれております。
丁寧に下処理をして、骨まで柔らかく、
グツグツ煮込んでいきます。
脂ののった旬の時期の「イワシ、サバ」を丁寧に流水でした処理をした後、ぬか床、醤油、味醂、砂糖、山椒、唐辛子等で、4~5時間大鍋でグツグツと煮込んでいきます。やまいちの製法は何も変わらない、青魚を美味しく食べる昔からの作り方に忠実にこだわっています。
長時間煮込むことで、魚は骨まで柔らかく、ぬかの臭み
が独特の旨みへと変わります。また、上質ちりめんを使用したじんだ煮もご用意しております。

健康食、美容食としても じんだ煮は、注目されています。
生活習慣の予防に、今、注目のDHAやEPAといった必須脂肪酸を豊富に含むイワシやサバ。
それに、醗酵食品であるぬかみそを組み合わせたじんだ煮は、健康食として、まさに理想的です。
日本の食文化が世界中に認められるなか、このような小倉の郷土料理をひとりでも多く皆様に知っていただけるよう
精進してまいります。


