畑中良輔の自伝的小説の第2弾。受験科目に数学がないことで目指した東京音楽学校に、見事入学するまでを描いた『音楽少年誕生物語』の続編。音楽家になるという希望に胸を膨らませ東京音楽学校で勉学に励む青年の姿が、前巻同様軽妙洒脱な文章で綴られる。時はまさに戦時体制化、授業に軍事教練も組まれ、さまざまな制約に縛られながらものびのび成長してゆく様が、中田喜直、吉田雅夫、石井好子、森正、中山悌一、團伊玖磨ら、錚々たる学友たちとの豊富なエピソードを交えながら描かれてゆく。話の面白さと同時に、時代も活写して興味尽きない読み