■著者
富樫公一
■内容紹介
現実は予測不能でその本質は見えず、他者は操作不能でとらえがたい。現実の中で人とかかわることは、不確かさの感覚と向き合って生きることである。臨床精神分析は、その中で生きる人の苦悩と喜びにどう向き合い、そこにどんな意味を与えることができるのだろうか。臨床家もまた、同じ苦悩と喜びに向き合いながら生きている。日々の臨床の仕事の中で、とらえがたい患者を前にしたとき、臨床家は何ができるのだろうか。欧米での著作や論文を通して米国精神分析の「倫理的転回」をけん引する理論家の一人である著者が、米国の最新の知見を紹介しつつ、心の問題に向き合う臨床家に必要な基本的態度を論じる。