誰もが知っている唱歌「コヒノボリ」と「チューリップ」。しかしその作詞者が近藤宮子であることが裁判を経て公に認められたのは、創作から約60年を経てからのことでした。著名な国文学者であった藤村作を父にもつ宮子の作詞の過程、藤村家と教育者、音楽家たちとの交流、また当時の時代背景など、「コヒノボリ」「チューリップ」をめぐる様々な紆余曲折を丹念な資料調査をもとに克明に追跡した本書は、われわれ日本人の著作権意識の変遷を物語る時代の証言でもあります。また巻末の資料編には裁判の判決文の全文も掲載され、法律専門家にとって貴