今日の日本歌曲の分野では、母語である日本語だけに日本語についてよく理解しているという先入観や、詩や作品全体に対する考察や理解の不足、経験に基づいた自己流の歌唱法といった状況が、しばしば見受けられます。そのため、本来の日本語の美しい表現が表出し得ていないことが多々あります。本書はもう一度日本語の特性とは何かという原点に立ち返り、日本語という言語の理解と認識、それに即した歌唱法とはどういうものか、また演奏に当たっての注意点などを加え、これからも幾世代にわたって歌い継がれるにふさわしい作品を100曲選びました。