仏教の六道思想に基づく絵巻物「餓鬼草紙」の文体を下敷きに書かれた寺山修司の『新・餓鬼草紙』より「言葉餓鬼」「母戀餓鬼」の2篇に作曲。2010年11月、町田市民合唱団(指揮:清水敬一)により初演された。人の詩句を食い漁る「無才なる鬼」と、鬼が咀嚼しきれなかった言葉の残渣を啄み消化する「百舌鳥」、現在の世相の暗喩とも読み取れる両者の関係を描いた〈言葉餓鬼〉。母への愛と罪悪感、寺山の人生の中心テーマとも言える「母捨て」を扱った〈母戀餓鬼〉。寺山詩の強烈な情念と諧謔を濃密に描き上げた力作。謡曲の節回しを思わせる旋