■著者
前川美行

■内容紹介
本書は、従来、因果的思考で説明できないために看過されてきた「偶発事」について、事例を通して詳細に検討し、偶発事が心理療法の治療機序の本質に関わるものであることを、新たに考察・理論化したものである。臨床家の間では重視されているにもかかわらず、一般化が不可能で理論化になじみにくいゆえに、「単なる例外」や「不注意」として探求されずにきた偶発事に関して、具体例に沿いながら理論化した類書はほかにはない。

■目次
第1章 変容と偶発事(心理療法の場と日常世界;内的世界と外的現実;変容の力;偶発事の捉え方;心理療法における偶発事の扱われ方);第2章 事例の検討―偶発事という視点から(セラピストの妊娠・出産による一時的中断(ケース1);箱庭の砂による衝撃(ケース2);交通事故との遭遇(ケース3));第3章 偶発事の発生と捉え方(偶発事発生とヒューマンエラー;セラピストの要因;共時性);第4章 偶発事と病態水準―クライエント・セラピストの要因(神経症水準;精神病水準;身体症状―心身症と身体疾患;子どもと偶発事;PTSDと偶発事;セラピストの個人的特性);第5章 遭遇―訪れ、破壊するもの(身体と偶発事―領域の狭間;手紙による繋がり―言葉・声・文字の持つ力;遭遇)