「人がまだ踏んだことのない雪道を行きたい」―― ドルがまだ360円だった時代、大学時代にたまたま訪れたタングルウッドで、ふと耳にしたたった1つの音に惹かれてヴィオラを手にした内気な少女。やがて彼女は、ヨーロッパの音楽の殿堂で独奏者(ソリスト)として演奏し、音楽院教授として世界各地の学生を教えるまでになった。 ヴィオラという地味な楽器(ヴァイオリンよりも低く、チェロよりも高い音を出す)を独奏(ソロ)楽器の地位まで押し上げた、音楽史のうえでも稀有なその足跡を振り返る。